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ロバート・ワインバーグ - がん
- 1講 がんとは何か
- 2講 何ががんを引き起こすのか
- 3講 がんはどのように増殖するのか
- 4講 転移はどのように進行するのか
- 5講 どのように治療するのか
1講 がんとは何か#
がん遺伝子を初めて発見したロバート・ワインバーグが語るがん細胞の秘密。一般的にがんは体の外からウイルスが侵入して生じるものと考えられています。
しかしロバート・ワインバーグは、がんは体の外から入ってくるのではなく体の中で始まると言います。
大腸がん、乳がん、肝臓がんも実は体内の細胞から始まります。
では正常に機能していた細胞はどのようにしてがん細胞になるのでしょうか?
この答えを見つけるために、ロバート・ワインバーグは生物学の基本原則から話を始めます。
そしてがん細胞を作る有力な容疑者、突然変異遺伝子とは何か、どのように突然変異が生まれるのかを探ります。
がんとは何でしょうか?
がんの本質とは何でしょうか?
がんはどのように形成されるのでしょうか?

何よりもまず理解すべきは、がんは体の外から中に入ってくる外部の侵入者ではなく、体内の組織で始まるということです。がんは間違った時間と間違った場所で細胞が増殖して発生した疾患です。がんは細胞疾患と言えます。がんはますます攻撃的に成長し、これを腫瘍と呼びます。
初期の細胞が一連の変化を経て徐々に攻撃的な性質を持つようになります。そうして攻撃的になった細胞はますます異常な細胞集団として成長します。この異常な細胞集団は最終的に腫瘍を形成しますが、腫瘍はこの全過程が最初に始まった部位で増殖します。時間が経つと隣接する組織に浸潤することもあります。この過程をがんの進行と呼びます。
ここで重要なのは、がん細胞が成長段階を経るたびにますます異常の程度が高くなるという点です。そうして異常性が大きくなり、がん細胞は細胞集団へと発展します。そして細胞集団は組織の形態に成長し、この組織全体を総称して腫瘍と呼びます。この時、複雑さはさらに高まります。なぜなら正常な細胞から非常に異常な細胞になったがん細胞は、一連の突然変異遺伝子を獲得するからです。
異常ながん細胞はただ一つの動機でのみ動きます。ひたすら自己増殖にしか関心がありません。
より多く自己複製しようとするのです。がん細胞は正常な組織を作ったり機能をうまく果たしたりすることには全く関心がありません。
タンパク質は生化学的な反応と構造を通じて、この地球上に存在する複雑な生命活動を司っています。DNAがRNAを作り、RNAがタンパク質を作るこのパラダイムは、生命を支配する根本的な規則です。
1講 講義まとめ#
がん
- 間違った時間と場所で異常な細胞が増殖した疾患
- 体内で始まる
- 間違った細胞と組織を作る疾患
腫瘍
- 異常な細胞が組織を形成
- がんの段階を経て攻撃的に成長
- 異常細胞に発展しながら突然変異遺伝子を獲得
突然変異遺伝子
- がん細胞の根本原因
- がん細胞の成長段階がまさにがんの進行
- がん細胞が成長するにつれて異常の程度も高くなる
がんが発生する理由を知るためには塩基配列の変化を理解する必要がある
ACGT塩基配列の変化 -間違った命令-> 異常な細胞増殖
ACGT塩基配列の変化 -> 生命の複雑性と多様性を決定
2万個の遺伝子のうち一部だけが細胞増殖の可否の決定に影響
タンパク質は生命活動を司る
突然変異遺伝子による塩基配列のわずかな変化もタンパク質の機能変化を引き起こし細胞に影響
DNA -> RNA -> タンパク質
2講 何ががんを引き起こすのか#
がん遺伝子を初めて発見したロバート・ワインバーグが語るがん細胞の秘密。体内では一生にわたって無数のDNA複製が行われます。
細胞が分裂するたびに進行されるDNA複製は、生命を維持するために必要不可欠な過程です。
この過程で時々「ミス」が起こりますが、それを「突然変異」と呼びます。
ロバート・ワインバーグは生きている間、突然変異の可能性が常に存在すると説明します。
DNA複製過程で起こるミス以外にも突然変異が生じる理由は様々です。
染色体が分裂する際にも生じ、紫外線への曝露や喫煙によっても生じます。
この些細に見える「ミス」はどのようにして命を脅かす腫瘍を形成するようになるのでしょうか?
一体どんなことが起こればがんが発生するのでしょうか?

細胞の主要な遺伝子に突然変異が発生すると、損傷した突然変異遺伝子は細胞に命令し始めます。増殖すべきでない状況でも異常に増殖するよう指示するのです。この突然変異DNA、つまり損傷した遺伝情報ががん発生の核心です。
DNAの二重らせん構造を見てみましょう。DNAは塩基対で構成されています。
AはTとペアを組み、CはGとペアを組みます。GはCと、TはAとペアを組みます。
これが正常なDNA構造の姿です。DNA構造が変形するということは、これらの文字、つまり塩基対の順序が変わるということです。
細胞が分裂する過程で何が起こるかを知ることは非常に重要です。細胞は分裂する際、2つの娘細胞にDNA二重らせんを公平に分配しなければならないからです。二重らせんが互いから離れてほどけると、この2本の鎖は複製されて娘細胞のらせんになります。しかし時々ミスが起こることもあります。複製複合体によって、新しく複製されたらせんの塩基配列に誤って複製された文字が入ることがあります。この誤って複製された塩基がまさに突然変異です。
これよりもっとひどいミスが起こることもあります。DNA複製過程では、複製中のらせん2本のうち1本が切断されることがあります。この切断はDNA二重らせん構造に大きな災厄になりえます。このようなミスは他のミスよりはるかに深刻で修復も難しいです。
細胞が成長し分裂するたびに約20億個の塩基が複製されますが、そこで誤って複製される塩基は3〜5個程度です。
細胞は細胞膜に特別なタンパク質を持っています。これを受容体と呼びます。この受容体は細胞表面に露出しています。組織の他の場所や隣接する細胞からアンテナのように信号を受け取ります。細胞表面の受容体はこれらの信号を受け取って細胞内部に伝達します。そして最終的にその信号を細胞核に伝達します。

受容体が信号を受けて情報を伝達する過程は非常に複雑です。受容体は非常に複雑な信号伝達装置です。
信号伝達とは、複数のタンパク質が電気回路のように構成されたものを指します。この信号伝達装置は信号を分析し、細胞が増殖するかどうかの決定を下す助けをします。つまり受容体は信号を細胞質に伝達します。
受容体を作る遺伝子が損傷すれば、受容体の機能も壊れます。つまりDNA突然変異は異常なタンパク質を作り、この異常なタンパク質が信号伝達に関与すると、増殖すべきでない時でも細胞増殖が始まるのです。
2講 講義まとめ#
突然変異遺伝子 -> がん発生の核心原因
細胞分裂を通じて公平に分配されるDNA遺伝情報
細胞分裂 -> DNA複製過程 -> 誤って複製された塩基 = 突然変異
人間の体は約30兆個の細胞で構成、人間の細胞は一生で約300回交替、一生で経験する細胞分裂は1京回
- 細胞分裂回数が増えるほどDNAが複製されるたびにミスする可能性が高い。がん発生リスクが増加
がんの危険性は大きくなる進化を経て高まる
変異の種類と密度によって多様な種類のがんが発生
DNAには多様ながんを発生させる無数の突然変異遺伝子が存在
DNA突然変異は細胞の無限増殖を誘発
突然変異を誘発する外部侵入者
- 紫外線
- カビが生えた穀類
- タバコ
突然変異を誘発するその他の要因
- 不適切な遺伝子分配で異常判定を受けた細胞
- 異常な染色体
3講 がんはどのように増殖するのか#
がん遺伝子を初めて発見したロバート・ワインバーグが語るがん細胞の秘密。正常細胞は互いに信号をやり取りしながら増殖の可否を決定します。
その信号を伝達する役割をするのがまさに受容体ですが、この受容体に変異が起これば増殖信号を受けなくても絶え間なく増殖するようになります。
このように無限に増殖する細胞をがん細胞と呼びます。
では、この受容体が故障すればすべてがんになるのでしょうか?
驚くべきことに、体は細胞が変形すること、つまり細胞ががん細胞に変わらないよう進化してきました。
3講でロバート・ワインバーグは、細胞が具体的にどのように無限増殖できるのか説明しながら、体ががんに抵抗してきた証拠を示します。
突然変異遺伝子が細胞をどのように異常に増殖させるかは話しましたが、その細胞がどのように異常な増殖を決定するかは詳しく見ていませんでした。そのためにはまず、がんがどのように進行するかを見る必要があります。

多くの種類のがん細胞は外部から増殖しろという信号を受けたと勘違いしています。実際にはそんな信号は伝達されていないのに。そうなるとがん細胞は不適切に異常増殖します。この異常な増殖ががんが始まる原因です。がんがますます異常に成長する理由でもあります。
では正常細胞は外部から受けた信号をどう処理し、細胞はどの過程を通じて増殖の可否を決定するのでしょうか?そして実際にその決定はどのように行われるのでしょうか?
細胞外部にある受容体は他の細胞から信号を受けて活性化され、その信号を細胞内部に伝達します。この過程を信号伝達経路と呼びます。信号伝達経路は受容体が受けた信号を処理する過程です。信号を増幅したり
減少させたりしながら、最終的に細胞増殖の可否を決定する細胞核に情報を送ります。
ヒトゲノムの遺伝子2万個のうち約50個程度ががん発生に関与します。これらの遺伝子はタンパク質を作ります。このタンパク質は腫瘍細胞の成長を決定する重要な調節因子です。このような遺伝子の大多数をオンコジーン、腫瘍遺伝子と呼びます。腫瘍遺伝子は増殖促進信号を絶え間なく送り出すタンパク質を作ります。
このような腫瘍遺伝子とは異なる方法でがん発生に関与する遺伝子もあります。腫瘍抑制遺伝子と呼ばれます。腫瘍抑制遺伝子は細胞増殖を促進するのではなく、むしろ増殖を止めるよう働きます。増殖が不適切な時に、増殖を止めるべきだと細胞に知らせるのです。
ほぼすべてのがんはこの2種類の突然変異遺伝子を持っています。腫瘍遺伝子は過度に活性化された遺伝子になり、腫瘍抑制遺伝子は腫瘍で不活性化されます。この2つの遺伝子の影響でがん細胞は制御不能なほど無限に増殖します。
人間の細胞は最低5つの遺伝子に突然変異が生じなければ、がん細胞のように増殖し始めません。この5つの遺伝子は細胞で重要な役割を果たす5つの回路を代表します。したがって重要な5つの回路すべてが壊れなければ、細胞が異常に増殖することはありません。このようなことは簡単には起こりません。

がんは形成段階ごとにそれぞれ異なる名前で呼ばれます。正常、過形成ポリープ、腺腫、がん腫、浸潤性転移など多様です。
3講 講義まとめ#
信号伝達経路
- 受容体が受けた信号を処理する過程
- 増殖の可否を決定する細胞核に情報伝達
突然変異遺伝子が誘発した異常な細胞増殖
-> がん細胞 = 外部から増殖信号を受けたと勘違い
-> 突然変異が引き起こしたタンパク質変化による継続的な増殖促進信号で壊れる細胞の行動
全ゲノム2万個のうち約50個の遺伝子ががん発生に関与
過度に活性化した腫瘍遺伝子と不活性化した腫瘍抑制遺伝子の共謀でがん発生
がん細胞の無限増殖、がん細胞の増殖に必要な突然変異遺伝子は最低5つ
オンコジーン(Oncogene)腫瘍遺伝子
- 絶え間なく細胞増殖を促進
- 50余りの遺伝子が作ったタンパク質。がん細胞の成長を決定
RAS遺伝子
- タンパク質が異常な増殖促進信号を送り出すようにした腫瘍遺伝子
腫瘍抑制遺伝子
- 細胞増殖を抑制
4講 転移はどのように進行するのか#
がん遺伝子を初めて発見したロバート・ワインバーグが語るがん細胞の秘密。体に腫瘍が形成されると、なぜ、そしてどのように危険になるのでしょうか?
腫瘍はその場にある間はほとんど脅威的ではありませんが、転移が始まると話が変わります。
転移した二次腫瘍は全く新しい突然変異を作り出し、命を脅かすからです。
がんによる死亡の90%以上がこの転移で死亡します。
4講では腫瘍がどの段階を経て転移するのか、転移が持つ重要な特徴について説明します。
死亡率の高い転移がんに関して、ロバート・ワインバーグは転移研究における最大の難題を取り出します。
果たして人間はこの問題を乗り越えられるのでしょうか?
腫瘍は形成された後、なぜ、どのように危険になるのでしょうか?
がんの進行過程を経て作られた腫瘍は全身に広がり、がん患者の命を脅かします。

がんが広がるという話をする時、転移という用語を使います。転移とは、原発性腫瘍の細胞が元いた場所を離れて遠い身体部位に広がることを言います。この腫瘍は他の部位に広がった後、増殖して新しい二次腫瘍を形成します。腫瘍が十分に成長すると、原発性腫瘍細胞は近隣の組織に浸潤し始めます。その次は体内の循環系を通じて遠い組織に拡散します。転移は近隣組織ではなく遠いところに広がることを意味します。
原発性がん細胞は近隣組織に浸潤する際、通常時に作動するこの創傷治癒プログラムを活用します。既存の創傷治癒プログラムをそのまま使うのです。がん細胞が浸潤力を得ると循環系に意図せず入り、結果的に原発性腫瘍のがん細胞が血管に浸潤します。原発性がん細胞が血管に浸潤すると、身体の遠い部分に移動できるのです。これがまさに血液を媒介とした転移です。血液が遠い組織まで細胞を運ぶのです。
がん細胞は血液に乗って移動する過程で攻撃されたり除去されたりすることもあります。そしてがん細胞にとって見慣れない環境である遠い組織でコロニーを形成するのはより困難なことです。だからがん細胞は遠い組織に到着しても、その環境にうまく適応できず成功的に増殖できません。転移が実現しにくい理由です。しかしがんによる死亡の90%以上が転移によるものです。この事実だけでも転移について深く研究する理由は十分です。
4講 講義まとめ#
原発性腫瘍
- がんが始まったその場で形成される一次腫瘍
- 十分に手術治療が可能
- それ自体は脅威的ではない
転移
- がん細胞が元々生じた場所から他の身体部位に広がること
- がん細胞の移動 = 近隣組織に浸潤 -> 遠い組織に拡散
二次腫瘍
- 新しく定着した場所で全く異なる二次腫瘍を形成
- より進化した二次腫瘍は命を脅かす
腫瘍およびがん細胞の種類
- 原発性腫瘍
- 血液を媒介に転移
- リンパ節を通じて近隣組織に移動
- 連続段階で進行。原発性腫瘍ではなく転移により生命の脅威
- 浸潤性腫瘍
- 隣接部位に浸潤
- がん細胞
- 正常細胞の既存プログラムを悪用するがん細胞
- 創傷治癒プログラムを利用。近隣組織に浸潤するがん細胞
- 血管に浸潤するがん細胞
転移が進行する過程
- がん細胞が近隣組織に浸潤
- がん細胞が血管に浸潤
- 遠い組織に定着
- がん細胞が増殖して転移コロニー形成
転移の非効率性
- 原発性腫瘍細胞100万個中1個の細胞だけが辛うじて転移コロニーを形成
- がん細胞が全身に広がっても転移できる環境を見つけにくい
- 体の組織はがん細胞が成長しにくい環境
転移が成功しにくい理由
- 血液移動中に除去されやすいがん細胞
- 適応と増殖が困難な新しい環境
- 血液移動中に除去されやすいがん細胞
5講 どのように治療するのか#
がん遺伝子を初めて発見したロバート・ワインバーグが語るがん細胞の秘密。医学技術の発展とともにがん治療薬も発展してきました。
しかしがんは依然として現代社会の死因の20%を占めています。がんは依然として恐怖の対象として残っています。
この問題を解決するために50年間がんを研究してきたロバート・ワインバーグはがんが発生する原理に注目します。
5講ではがんが発生する原理を応用した治療法を紹介し、今後の抗がん治療が進むべき道を提示します。
ロバート・ワインバーグは治療と同じくらい重要なことがあると強調し、がんに関連する様々な統計資料を見ながらがんが示唆することは何かを明らかにします。
どのようにがんを治療するかという質問は実に興味深いです。しかしそれよりも重要な質問は、毎年がんで亡くなる人の数をどう減らせるかということでしょう。全世界の死因の20%ががんだという事実を考えると、これは重要な目標にならざるを得ません。

実際にいくつかのがんでは死亡率が減りました。過去60年間でアメリカのがん死亡率は急激に減少しました。胃がん、大腸がん、子宮がんの場合、すべて大幅に減少しました。がんが発生する原因とがんを予防する方法について考えることができます。がん死亡率が大きく下がった理由は何でしょうか?
胃がんの場合、食品をより衛生的に保管できるようになり、毒性のあるカビが減ったからです。そして胃がんを引き起こす代表的な原因であるバクテリアを胃から除去する能力が向上しました。
子宮頸がんは、女性の子宮頸部を検査する「パップテスト」が開発されたことで、子宮頸がんで亡くなる女性の数が大幅に減少しました。子宮頸がんが致命的に発展する前に早期発見できるようになったのです。
一般的に大腸がんと呼ばれる結腸がんと直腸がんは、大腸内視鏡と呼ばれる診断法によって死亡率が減少しました。
しかし肺がんはまだ死亡率が高いです。肺がんを引き起こす原因はあまりにも明確です。肺がんによる死亡の大部分は喫煙のためです。人々が頻繁にタバコを吸うようになり肺がんの死亡率は増加しました。人々がタバコをやめると死亡率が減少しました。肺がんによる死亡率が減少したのは肺がん発生率自体が下がったからです。肺がん患者の90%が喫煙に直接的な影響を受けています。
そして膵臓がんと卵巣がんも依然として致命的ながんです。この2つのがんは末期に発見されるため、残念ながらがんと診断されたほとんどの人は亡くなるしかありません。
一部のがんについては現在の治療法には限界があり効果的でもありません。この全体の講義から得られる教訓は何でしょうか?それは、がんを予防することががんが発生した後に治療するよりはるかに効果的だということです。
肺がんの死亡率が急激に下がったのは肺がんの治療法が発展したからではありません。人々の喫煙率が減少したからです。
ここでの教訓は非常に明確です。死亡率を下げる重要な方法は生活習慣を変えて、そもそもがんが発生しないよう防ぐことだということです。
統計資料で特定のがんの発生率が国ごとに異なって現れる理由は、食習慣と生活習慣、環境ががん発生の可否を決定する重要な要素だということを物語っています。
がんの発生を減らせるなら治療を心配しなくて済みます。そもそもがんが発生しないようにすることが治療よりはるかに効果的だからです。アメリカで発生する70%以上のがんは生活習慣の変化で予防可能です。
がんは老化と関連した疾患です。人々の寿命がますます長くなり、がん発生率はより高くなりました。これは発生可能性が高まったからではなく、がんが発現するほど人間の寿命が長くなったからです。過去には老年になる前に他の疾患で亡くなることが多かったです。今は長生きする分、悲しいことにがんにかかる確率もそれだけ高くなりました。
5講 講義まとめ#
がん死亡率の減少原因:
- 衛生的な食品保管
- バクテリア除去能力の向上
子宮がん死亡率減少の原因 -> 子宮頸がん検査(Pap Test)の開発
大腸がん死亡率減少の原因 -> 大腸内視鏡検査の開発
肺がん死亡率減少の原因 -> 喫煙人口の減少 -> 肺がん発生率の減少
乳がん死亡率減少の原因 -> 標的治療薬、ホルモン治療薬などの治療法開発
効果的な治療法の開発中だが、依然として限界が存在。特に膵臓がん、卵巣がんは依然として治療がほぼ困難
がんを治療するよりも予防する方がはるかに効果的。生活習慣を変えてがんを予防することが重要
がん予防のためにはがんの原因を把握することが重要
がんの発生原因
- 職場の有害物質への曝露
- 喫煙(1日25本以上の喫煙 = 肺がんにかかる確率が27倍高い)
- 食習慣(野菜の少ない食事、塩分の高い食品摂取、揚げ物や直火焼き、硝酸塩の多い食品)
生活習慣の変化だけで70%以上のがんが予防可能!
新しい抗がん治療法、グリベック(Gleevec)の登場
- 白血球増殖を抑制する慢性骨髄性白血病の治療薬
- 異常タンパク質が送り出す信号を遮断
- がんに関与するタンパク質機能を調節してがんのリスクを減少
がんが消え続けない理由
- がんは老化の疾患
- 高齢者人口の増加
- 寿命が延びることでがん発生率が増加
がん克服のための課題
- がんが老化の問題なら、がんは消えない問題
- 依然として難題として残る膵臓がんと卵巣がんの発症原因
- がんの原因究明と治療法研究が次世代の宿題
Wise men talk because they have something to say; fools, because they have to say something.
— Plato